行動分析学研究
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実践報告
小学校通常学級における朝の会および授業開始時の問題行動の改善を目指した相互依存型集団随伴性の適用
宮木 秀雄
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2018 年 32 巻 2 号 p. 127-137

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抄録

研究の目的 本研究は、通常学級における朝の会および授業開始時の問題行動に対する相互依存型集団随伴性を用いた介入の効果を検討することを目的とした。研究計画 場面間マルチベースラインデザインとチェンジング・コンディション・デザインを組み合わせて用いた。場面 公立小学校通常学級での朝の会、3時間目、5時間目の各開始時に介入を行った。参加児 公立小学校2年の児童21名であった。介入 トークンエコノミー法を利用した相互依存型集団随伴性による介入を行った。併せて、学級担任による言語的プロンプトと視覚的プロンプトの提示も行った。行動の指標 開始時刻に①教室に戻ってきていない児童数、②自分の席に座っていない児童数、③関係のない物を机の上に出しているまたは手に持っている児童数をそれぞれ学級担任が目視で数え、記録した。結果 介入により、朝の会、3時間目、5時間目の各場面において、教室に戻ってきていない児童、自分の席に座っていない児童、関係のない物を机の上に出しているまたは手に持っている児童の各人数の減少が見られた。結論 通常学級における朝の会および授業開始時の問題行動に対する相互依存型集団随伴性を用いた介入の効果が示された。また、児童と学級担任に対する質問紙調査の結果、介入の社会的妥当性も示された。

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© 2018 一般社団法人 日本行動分析学会
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