2021 年 35 巻 2 号 p. 158-164
徹底的行動主義に基づく行動分析学と、方法論的行動主義に基づく学習心理学は、多くの共通点を持つ関連領域でありながらも、なお無視できない相違がある。そこで本稿では、徹底的行動主義と方法論的行動主義を接続するために、行動分析学が重要視する「行動の予測と制御」と「環境と行動の関数関係の特定」という問題に注目する。制御理論や機械学習といった他領域での議論を援用して、行動の予測と制御という目的のためにどのような関数関係を検討するべきかを検討し、方法論的行動主義の研究が、そうした関数関係の研究にどのような示唆を与えうるかを議論する。