行動分析学研究
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実践報告
小学校通常学級の漢字読み書き指導における刺激ペアリング手続きの有効性の検討
松下 浩之
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2026 年 40 巻 2 号 p. 99-110

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抄録

研究の目的 本研究は小学校通常学級6年生児童を対象に、漢字の読み書き指導における継次的刺激ペアリング(SSP)手続きの有効性および社会的妥当性について検討した。研究計画 SSP手続きおよび通常指導手続きのそれぞれについて、事前テスト、事後テストおよび1ヶ月後のフォローアップテストの結果を比較した。場面 公立小学校6学年2学級の教室において各担任教師が実施した。参加者 62名(男子22名、女子40名)の児童が参加した。介入 SSP手続きでは、教室前方の大型モニタに漢字が1画ずつ順に提示され、その後、漢字とその読み仮名の音声が3秒間、その漢字が含まれる熟語と音声が2秒間、熟語の意味を表すイラストが1.5秒間提示された。通常指導手続きでは、主に宿題として書き取りが課された。行動の指標 各週月曜日と金曜日に実施した5問ずつの読みテストおよび書きテストの正答数を5週分合計し、中央値を比較した。結果 全児童のうち、60%以上出席していた児童49名を分析対象とした。いずれの条件においても読みおよび書きの正答数が増加した。社会的妥当性調査の結果から、SSP手続きによる学習は負担感なく、受け入れやすいものであることが示された。結論 SSP手続きは学級規模介入の第1層支援としても有効な指導法になる可能性があり、特に書字の反復学習などが苦手な児童に対する指導手続きの選択肢の1つとしても活用できる可能性が示唆された。

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