認知行動療法研究
Online ISSN : 2433-9040
Print ISSN : 2433-9075
実践研究
自閉スペクトラム症・注意欠如多動症の混合グループに対する短縮版ペアレントトレーニングの有効性に関する研究
西村 勇人橋本 桂奈水野 舞佐藤 充咲
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2022 年 48 巻 2 号 p. 217-224

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抄録

本研究では自閉スペクトラム症・注意欠如多動症のいずれか、もしくは両方の診断を受けた子どもの親グループに対する短縮版のペアレントトレーニングの有効性について検討した。プログラムは全5回で(1)ターゲット行動の選定と観察の方法、(2)適切な強化の仕方、(3)課題分析と環境の工夫、(4)トークンエコノミー、(5)消去とまとめ、で構成された。参加した22名の親の子育てストレスと抑うつ症状の変化を測定し、目標行動がどの程度達成されたか評定してもらった。分析の結果、子育てストレスは有意に低下したが、抑うつの低下については有意傾向であった。親の報告によるターゲット行動の達成度は74.29%であり、子どもの行動にも一定程度の変化が見られたと親は評価していた。これらの結果より、対象を特定の疾患に限定せず短期間で終了するという、親がより参加しやすいペアレントトレーニングの可能性が示された。

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© 2022 一般社団法人日本認知・行動療法学会
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