論文ID: 23-018
本研究では、社交不安者とビデオ通話をする際の留意点を明らかにするために、スピーチ課題時におけるビデオ通話と対面の違い、ビデオや鏡に映る自己像の有無のそれぞれが社交不安の増悪要因に与える影響を検討した。高社交不安者53名を対面自己像なし群、対面自己像あり群、ビデオ通話自己像なし群、ビデオ通話自己像あり群に割り当て、スピーチ課題を実施し、課題前後での自己注目、スピーチパフォーマンスに対する自己評価の変化を比較した。その結果、自己像の存在は自己注目が高まることを防ぎつつ自己評価を改善させる一方で、ビデオ通話は自己注目を高めることが示された。また、自己像とビデオ通話の交互作用は認められなかった。以上より、社交不安者がビデオ通話で話す際には自己像を示すことが有用であることが示唆された。