論文ID: 24-010
本研究では、大学生の精神的健康保持増進のためのWeb形式によるセルフヘルププログラムの開発と、その実行可能性の確認を目的とし、非同時性参加者間ベースラインデザインによる介入実験を実施した。プログラムは4本の動画視聴と計20日間のホームワークで構成され、全9回のアンケートが設定された。5名の参加者のうち3名がプログラムを完遂した。介入の結果、臨床的に十分な効果ではないものの、本プログラムには健康関連QOLの中長期的な改善に寄与する可能性が示された。アクセプタンス&コミットメント・セラピーのプロセスについては、長期的には改善した値が戻る可能性があるが、少なくとも一部には想定どおりの影響を与えることが示唆された。また、時系列的な変化より、プロセスの変化がアウトカムの改善を媒介している可能性が示された。最後に、脱落の要因を考察し、プログラムの精緻化への方向性が提案された。