抄録
本研究では,夜間の添い寝が子どもの親への愛着および自尊感情に及ぼす影響を探り,子どもが親への安定した愛着を形成し自尊感情を高めるには,添い寝がいつまでどのように行われるのが望ましいかについて検討した。大学生および大学院生424 名を対象に,添い寝経験の有無や添い寝の期間などの質問および愛着,自尊感情に関する質問を含む質問紙調査を実施した。
その結果,添い寝経験のある男性および母親の隣で添い寝をしていた者はアンビバレントな愛着 パターンを示しやすい傾向があること,他者に対しアンビバレントなイメージや自己不全感を持ちやすい傾向にあることが分かった。さらに,0 〜3 歳まで添い寝をしていた者および6 歳以上まで添い寝をしていた者は回避的な愛着パターンを示しやすく,他者とは距離を置いた対人関係をとり,安全感を脅かすような情報は遮断するような対人態度をとりやすいことが明らかになった。自尊感情については十分な結果が得られなかった。