抄録
幼少期には不安定な愛着スタイルを有していたにもかかわらず,安定した愛着スタイルを有するようになった者の存在が明らかにされてきた。本研究では,重要な人物から得られた安心感が愛着スタイルの変化やリジリエンスと関連すると推察した。そこで,幼少期には不安定な愛着スタイルを有していたと推察されるにもかかわらず,現在,適応的に生活できている女性のリジリエンス,愛着,及び,重要な人物から獲得された安心感を質問紙調査と面接調査によって検討した。そして,その女性は代理愛着対象から高い安心感を得ていたこと,その女性は強いリジリエンスを有していたことなどが示唆された。