抄録
本研究の目的は,高校生における学業的満足遅延に及ぼす動機づけ,学習方略の影響を明らかにすることであった。417 名の高校生に4 つの尺度について回答するよう求めた。その結果は以下の通りであった。(1)学業的満足遅延は自己効力感,自己調整学習方略,動機づけと正の相関がみられた。(2)学業的満足遅延はテスト不安と正の相関がみられた。(3)学業的満足遅延高群は自己効力感,動機づけ,自己調整学習方略が学業的満足遅延低群よりも有意に高かった。(4)学業的満足遅延に性差はみられなかった。先行研究との関係を検討しながら,これらの結果について考察を行った。