抄録
本研究の目的は, 小学生における学業的延引行動に及ぼす動機づけ要因の影響を明らかにすることであった。391 名の小学生に3 つの尺度について回答するよう求めた。その結果は以下の通りであった。(1)学業的延引行動は内発的価値・自己効力感, 学業的満足遅延との間に有意な負の相関がみられた。(2)学業的延引行動はテスト不安との間に有意な正の相関がみられた。(3)学業的延引行動高群は内発的価値・自己効力感, 学業的満足遅延が学業的延引行動低群よりも有意に低かった。(4)学業的延引行動高群はテスト不安が学業的延引行動低群よりも有意に高かった。先行研究との関係を検討しながら, これらの結果について考察を行った。