応用教育心理学研究
Online ISSN : 2436-6129
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青年期の内的作業モデルと日常生活スキルの関係− 主観的幸福感を統制要因として −
加藤 孝士
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2016 年 33 巻 1 号 p. 15-24

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抄録
 本研究では,青年期の学生を対象に,内的作業モデル(Internal Working Model:IWM) と日常生活スキル(Daily life skill:DLS)の関係を主観的幸福感(Subjective Well-being) の観点から検討した。調査対象者は,255 名であった。その結果,内的作業モデルが安定型(自己観と他者観がポジティブ)の学生は主観的幸福感が高いことが示された。続いて自己観がポジティブな学生は,自らの能力に関するスキルが高かった。また,他者観がポジティブな学生は,人間関係を円滑に図る能力が高かった。続いて主観的幸福感を統制した状態でIWM がDLS に与える影響を検討した。その結果,IWM は多くの日常スキルへの直接的な影響が確認できなかった。よって,IWM がDLS に与える影響は直接的な影響は少なく,SWB を媒介し影響を与えていることが示唆された。
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© 2016 日本応用教育心理学会
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