応用教育心理学研究
Online ISSN : 2436-6129
Print ISSN : 0910-8955
保育実践における気付き体験と保育者効力感との関係
吉田 満穗西山 修
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2017 年 33 巻 2 号 p. 3-13

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抄録
保育者は,様々な気付きを得ながら実践を行っている。気付きの中には,保育者にとって忘れがたい記憶として残り,保育の見通しや自信,その後の保育者としての効力や在り方に影響を及ぼすものもあると考えられる。そこで本研究では,保育者が持つ自伝的記憶としての気付き体験と保育者効力感との関係を分析した。また,保育経験による相違を検討した。まず,𠮷田ら(2015)の分類に基づき,保育者の気付き体験を整理したところ,「保育者の姿勢」「子どもの心的状態や行動」「保護者と保育者の繋がり」「子どもと保育環境」の順に多かった。次に,保育者の気付き体験の有無と保育経験が,保育者効力感に与える影響を検討した。保育者は,保育経験を重ねるにつれ,保育者効力感が高くなる。また,自伝的記憶として気付き体験を持つ保育者は,持たない保育者と比べ,保育者効力感は明らかに高い。他方,気付き体験の内容による保育者効力感の相違は,見出されなかった。最後に,本研究の結果を踏まえて討議し,今後の課題を述べた。
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© 2017 日本応用教育心理学会
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