抄録
本研究の目的は,保育者による受容に関わる効力感を捉える新たな尺度を開発し,その構造を明示することである。具体的には,まず予備調査を踏まえ,保育者による受容に関わる52 項目を精選した。次に,現職保育者334 名,保育者志望学生227 名を対象に,大規模な質問紙調査を実施した。分析の結果,「子どもの自我を尊重する」「子どもの理解者として存在する」「保護者の理解者として存在する」「個の多様さを認める」の4因子20 項目が抽出され,明確な多次元構造が確認された。また,十分な信頼性,妥当性を有することも確認された。最後に,本尺度の実践的な活用可能性と研究の展開について若干論じた。