応用教育心理学研究
Online ISSN : 2436-6129
Print ISSN : 0910-8955
対人支援ボランティアに参加する大学生の参加動機が期待するソーシャルサポートに及ぼす影響
亀田 凌雅中地 展生
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2025 年 41 巻 2 号 p. 31-43

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抄録
本研究の目的は,大学生における対人支援ボランティア場面でのストレッサーと参加動機,期待するソーシャルサポートとの関連を検討することであった。Web アンケート調査を実施し,対人支援ボランティア経験を有する213 名の主に心理・福祉・教育を専攻する大学生・大学院生の回答が得られ,それらのデータを用いて重回帰分析を行った。その結果,期待するソーシャルサポートはどのようなストレッサーが強いかということよりも参加動機によって左右されることが明らかになった。このことを踏まえると,参加動機の事前アセスメントによって,個々にあった支援の方向性を検討し,事前研修や環境調整を行っていくことが,バーンアウトの予防に繋がると考えられる。そうしたサポートは,直接的に支援を受ける被支援者に対して安定的な支援を提供することに繋がるとともに,将来的な臨床心理士等の対人支援専門職養成の意味でも有意義なものになると考えられる。
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© 2025 日本応用教育心理学会
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