老年臨床心理学研究
Online ISSN : 2436-4568
軽度認知障害を有する高齢者の抑うつに対するマインドフルネストレーニングの効果
システマティック・レビュー
倉坪 和泉 中川 威
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 5 巻 p. 9-23

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抄録
認知症の発症前段階である軽度認知障害(MCI)における抑うつは認知症に移行する確率を高める。マインドフルネストレーニングは抑うつに有効な非薬物療法であるが高齢者医療ではほとんど実施されていない。本研究ではMCI高齢者の抑うつに対するマインドフルネストレーニングの効果に関するシステマティック・レビューを行った。PubMed,PsycINFO,Web of science,医学中央雑誌を用いて2023年4月までに出版された文献を検索し,6件の研究が同定された。介入は集団形式で8週間から9か月の期間で行われ,評価尺度はGDS-15,GDS-M,GDS-30であった。1件で対照群と比較して介入群で有意に抑うつが改善,4件で介入前後で抑うつが改善しており,一定の介入効果が認められた。マインドフルネストレーニングはMCI高齢者の認知症予防の一助となる可能性がある。
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© 2024 日本老年臨床心理学会
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