在宅薬学
Online ISSN : 2434-5288
Print ISSN : 2188-658X
総説
COVID-19のアウトブレークにおける在宅ケアや薬局業務にかかわる薬剤師の意識 ―第13回日本在宅薬学会学術大会におけるアンケート調査より―
窪田 愛恵金澤 京子吉長 正紘稲垣 鎮平出 敦
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 8 巻 1 号 p. 23-29

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抄録

要旨:COVID-19のアウトブレーク下で,現場の薬剤師が抱える問題点を明らかにするために,インターネットを通じたオープンアンケート調査を行った.回答は誰でも可能としたが,呼びかけは日本在宅薬学会関係者を中心に行った.調査では,職種,業務の回答とともに,COVID-19のアウトブレークについて在宅ケアや薬局業務にかかわる意識を中心に記述してもらった.その結果,231名から回答を得られ,うち薬剤師からの回答が222名(96.1%)で,薬局勤務(在宅訪問を含む)が182名(78.8%)と最も多かった.在宅ケアに関連した回答としては,在宅訪問の際にどのような対策を行うべきか迷った,在宅訪問の回数が減少,実務実習の学生を帯同できない,在宅患者の処方延長,訪問拒否などがあった.薬局業務も含めた内容では,電話再診が増えたことによる薬の配送に関する作業,マスクや感染防御具の不足,薬局内の消毒等にかかる負担も挙げられた.また,来局者減少による経営問題や,業務外の問題として家族に関する問題も挙げられていた.この調査研究では,公式な通達や報告では窺いしれない,薬剤師としての薬局業務や在宅ケアでの率直な指摘が多数寄せられ,その切実な課題が浮き彫りにされた.

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© 2021 一般社団法人日本在宅薬学会

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