2021 年 8 巻 1 号 p. 10-16
要旨:在宅の高齢糖尿病患者では,複数の慢性疾患を合併しやすく,他科受診によるポリファーマシーや薬の重複・相互作用,残薬などの問題が生じやすい.加えて,日常生活能力(ADL)の低下,認知症の発症や嚥下障害,フレイルが生じやすいため,在宅での服薬管理は困難となりやすい.薬剤師法の改正では,調剤後のアフターフォローが薬剤師の役割として明記されることとなった.低血糖などの副作用のリスク防止の観点からも,特に糖尿病薬SU剤やインスリンの導入,変更後のアフターフォローが重要とされ,在宅医療への薬学的継続管理が求められている.本稿では,高齢糖尿病の在宅患者への服薬フォローアップのポイント,残薬管理などの留意点,患者支援の情報提供のあり方について紹介する.
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