コミュニケーション障害学
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会話分析の臨床的有用性
佐藤ひとみ
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2015 年 32 巻 1 号 p. 49-54

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抄録
「会話」は言語臨床の働きかけにとって重要であり,それをより充実させるために“会話分析”は有効な手法である。“会話分析”は,双方向のやりとりを分析することに焦点を当てるため,臨床家はこの方法により会話を客観的に捉える視点が得られる。したがって失語症臨床の場合,以下の3つの目的に“会話分析”を活用することができる。1)言語臨床家自身および他の言語臨床家の会話能力評価への適用,2)失語症患者の会話能力評価への適用,3)失語症患者の家族/ 介護者に対するコミュニケーションの取り方の助言への利用。こうした“会話分析”の臨床への応用を通して,「会話における相互作用と心理社会的関係性」への臨床家の理解が深まり,コミュニケーション・セラピーでの豊饒性がもたらされると考える。最後に“会話分析”を実際に臨床で活用される方が増えることを願い,コミュニケーション・セラピーだけで会話能力と認知機能が回復した自験例を紹介した。
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© 2015 日本コミュニケーション障害学会
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