抄録
語彙発達は,言語獲得の中核的要素の一つであり,いずれの言語発達の段階においても言語的スキルが広がるための土台の一つである。本研究では,幼児前期から幼児後期の語彙発達の様相の基礎的データを収集することを目的に,2歳〜7歳児計316 名に対して,語彙の理解課題,表出課題を実施した。使用した語彙は,予備調査で選定した名詞,動詞,形容詞・形容動詞を含む各課題100 語である。その結果,いずれの品詞においても,年齢の上昇とともに理解語彙,表出語彙は増加しており,本研究にて使用した語彙については,地域や性別による語彙の習得に差はないことが示唆された。また,ほぼすべての語彙は,年齢の上昇に伴い平均正答率が上昇しており,それらの語彙の75%通過年齢を得ることができた。今後は,今回得られたデータをもとに,言語発達の遅れの早期発見や指導支援のエビデンスとなる指標につなげていきたい。