抄録
巡回相談は障害のある幼児への発達支援として公立保育所を中心にこの10年間で充実してきた.しかし,そのような発達支援が届いていない所が多いことも事実である.その一つの例として,首都圏の私立幼稚園教諭を対象に行った予備的実態調査の結果を参考に,私立幼稚園への発達支援の現状について検討した.保育所同様,幼稚園においてもことばの問題や自閉的傾向のある幼児は多く,幼稚園教諭は発達支援を求めているが,園外の発達支援ネットワークとの連携は希薄である.今後,障害のある幼児への発達支援が保育所以外にも広まっていくことが望ましい.さらに,保育の制度や内容が急速に変化し,保育現場は幼稚園・保育所以外にも多様な形態が可能となることが予測される.これからの発達支援においては,保育現場の現状や動向を知った上で支援ネットワークを強めていく必要がある.