犯罪心理学研究
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犯罪予防,非行防止・少年保護および犯罪捜査に関する研究の歴史と展望
渡辺 昭一
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2011 年 50S 巻 p. 89-103

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抄録

本稿では,わが国の警察における犯罪心理学研究をレビューした。これらの研究を犯罪予防,少年警察活動,犯罪捜査支援の3つの主要な話題に分類し,歴史と将来を概説した。犯罪予防研究には,地理的犯罪分析,犯罪リスク知覚と犯罪不安,犯罪と被害の未然防止といった話題が含まれる。少年警察活動研究では,非行現象,非行関連要因,非行対策が対象となる。犯罪捜査支援研究では,ポリグラフ検査,目撃者証言と捜査面接,犯罪手口に基づく被疑者の検索手法,犯罪者プロファイリングが取り扱われる。犯罪および非行の本質は学際的であり,心理学のみならず社会学,教育学,精神医学など多様な観点から研究が行われている。そのため本稿では,主要な研究については「犯罪心理学研究」以外の学術誌に掲載された論文についても言及した。

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© 2011 日本犯罪心理学会
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