抄録
食道癌と直腸癌の同時性重複癌に対し, 二期的に鏡視下手術を施行し, 低侵襲で早期退院が可能であった症例を経験したので報告する。症例は71歳, 男性。平成18年8月, 便潜血陽性にて当院を紹介受診。上部消化管内視鏡にて門歯より38cmの食道に1/3周にわたる3cm大の2型の腫瘍を認め, 生検にて扁平上皮癌と診断された。また下部消化管内視鏡にて直腸Rsの後壁に2cm大の隆起性病変を認め, 生検にて中分化腺癌と診断された。食道癌に対し, 胸腔鏡下食道切除術, 用手補助下腹腔鏡下胃管再建を施行し, 3カ月後に直腸癌に対して, 腹腔鏡補助下低位前方切除術を施行した。手術時間と出血量は, 食道癌手術が6時間30分, 320ml。直腸癌手術が3時間48分, 27mlであった。術後経過は良好で, 食道癌手術後17日で, 直腸癌手術後7日で退院となった。