抄録
62歳, 女性。主訴は体重減少と嘔吐。数年前からときどき嘔吐することがあった。平成18年10月の腹部CT検査, GFおよびCFで異常所見は認められなかったが, 11月中旬から嘔吐を繰り返すようになり, 12月18日来院し, 腹部CTで胃十二指腸の著明な拡張と, 空腸起始部付近に腫瘤影を認めた。明らかなリンパ節腫大は認められなかった。エコー上, 腫瘍辺縁に豊富な血流を有し, 小腸透視では立ち上がり急竣で辺縁スムースな隆起性病変を認めた。PET-CTでは腫瘍と腹膜播種巣にF18-FDGの高集積を認めた。術前にGISTと癌の鑑別が困難であったが, 腸閉塞のため手術施行した。切除標本で1型腫瘍を認め, 病理結果で空腸癌と診断された。空腸癌は比較的稀な疾患であり, 術前にGISTとの鑑別診断に苦慮した症例を経験したので文献的考察を加えて報告する。