日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
症例報告
妊娠中に発症した絞扼性イレウスの1例
鈴木 友希長田 真二松井 聡坂下 文夫高橋 孝夫長尾 成敏山口 和也吉田 和弘
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 33 巻 2 号 p. 170-173

詳細
抄録
 症例は34歳,女性で,2年前に第1子を自然分娩している。第2子妊娠37週までの経過に異常なかったが,突然出現した腹痛のため当院へ救急搬送された。白血球が19,660/μlと上昇以外にCRPなど他の血液検査値に異常なく,腹部・骨盤CT検査で左上腹部に壁肥厚を伴う拡張した小腸とWhirl signを確認したことから,絞扼性イレウスとの診断。緊急開腹術にて女児を娩出し腹腔内を観察するに,トライツ靱帯より120cmの部位から450cmにかけて空腸が軸捻転し一部は完全に壊死状態であった。癒着・腸間膜ヘルニア,索状物などの捻転の原因と思われる病変は認められず,壊死腸管を含めて切除し手術を終了した。術後門脈内血栓症を認めたが保存的に軽快・退院した。12カ月目の現在母子ともに後遺症なく元気である。手術既往のない妊娠経過中の絞扼性イレウスは極めて稀であるが,一刻も早い病状の把握が救命に直結する。文献的考察を加えて報告する。
著者関連情報
© 2008 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top