2009 年 34 巻 1 号 p. 51-55
症例は77歳の女性.2000年9月に胃癌に対して胃全摘,膵体尾部・脾合併切除,D2リンパ節郭清を施行しRoux-en Yで再建した.最終診断は2型胃癌(MUL:14.0×13.0cm,por1,pT4 (膵体尾部),pN2,H0,P0,CY0,M0,f Stage IV)で根治度Bであった.術後の補助化学療法はMF療法を計30コース施行したが,CEA,CA19-9が変動したため10コース目からUFT 300mg/dayを併用投与し,MF療法終了後もUFTは継続した.その間明らかな転移所見はなく,術後5年でUFTを終了した.術後7年2カ月の腹部骨盤CTで腹部大動脈周囲リンパ節の腫大を認め,同リンパ節の単独再発と診断した.その2カ月後に腫大したリンパ節を周囲神経叢および左副腎とともに切除し,病理診断で胃癌のリンパ節再発(2/3)を確認した.以上,根治術7年後の腹部大動脈周囲リンパ節単独再発を根治切除し得た1例を経験したので報告する.