抄録
症例は62歳,男性.主訴は右季肋部痛.腹部CTにて肝右葉に広汎な実質内出血を伴う8cm大の腫瘍病変を認め,肝細胞癌破裂と診断した.血管造影検査の結果,腫瘍病変は肝動脈後区域枝ならびに側副血行路として胃十二指腸動脈経由の大網動脈および右第10~12肋間動脈より栄養されており,右肝動脈と側副血行路より塞栓術(TAE)を施行した.TAE後の全身状態は良好であり,31日後に待機手術を施行した.手術は肝右葉切除ならびに横隔膜および胸壁合併切除術を施行した.術後経過として汎血球減少および腹腔内膿瘍を認めたが,抗生剤投与および経皮的ドレナージにて全身状態は改善し,術後80日目軽快退院した.