抄録
【目的】上腕骨外側上顆炎(LE)におけるECRB起始部,滑膜ひだのMRI所見について評価/分類すること.【方法】治療前MRIを撮影した191例210肘を対象とした.ECRB起始部をT2強調/脂肪抑制プロトン密度強調(PDFS)冠状断像にて評価し,信号変化の有無/範囲で分類した.滑膜ひだの有無をT2強調冠状断/矢状断像にて評価し,先端の形状と長さで分類した.MRI所見と臨床所見を比較した.【結果】ECRB起始部信号変化はPDFSで205肘(97.6%),T2強調像で170肘(81.0%)に認めた.滑膜ひだは188肘(89.5%)に認め,形状がdullなものが77肘(36.7%),長さが1/3以上のものが71肘(33.8%)であった.MRI所見と臨床所見に関連はなかった.【考察】LEでは高率にECRB起始部信号変化と滑膜ひだを認めるが臨床所見とは関連せず,MRI所見に捉われすぎない必要がある.