日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
症例報告
受傷直後にLetton-Wilson手術を施行したIIIb型外傷性膵損傷の1例
川崎 篤史加納 久雄三松 謙司久保井 洋一吹野 信忠大井田 尚継天野 定雄
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 35 巻 2 号 p. 221-224

詳細
抄録
 症例は19歳,男性.腹部殴打による上腹部痛を主訴に救急搬送された.来院直後の腹部CTでII型膵損傷(表在性損傷)およびII型肝損傷と診断し入院経過観察とした.受傷8時間後のCTでダグラス窩に腹水貯留と十二指腸周囲にfluid collectionが出現し,腹膜刺激徴候も認めたため,肝損傷および膵損傷による腹膜炎と判断し緊急手術を施行した.術中所見で膵臓が完全断裂(IIIb型膵損傷)していたため,Letton-Wilson手術を行った.術後に腹腔内膿瘍を認めるも穿刺ドレナージ術のみで軽快し退院となった.IIIb型膵損傷に対しては,様々な術式が考案されており,患者の全身状態などを考慮し選択されている.今回われわれは,緊急手術中にIIIb型膵損傷と診断した症例にLetton-Wilson手術を施行したので報告する.
著者関連情報
© 2010 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top