抄録
目的:大腸癌術後の血栓について,下肢静脈超音波検査で検索し,その頻度と危険因子を明らかにする.方法:2008年10月から2011年3月までに初回手術を行った大腸癌症例385例に術後下肢静脈超音波検査を施行し,臨床学的因子との因果関係を統計学的に検討した.結果:下肢静脈血栓は58例(15.1%)にあり,性別の発生率は,男性:女性=21例(10.1%):37例(20.8%)で,女性の発生率が有意に高かった(p=0.0036).平均年齢は血栓有り群:血栓無し群=71.9:65.5歳で血栓有り群で平均年齢が高かった(p<0.0001).術前イレウスは,イレウス有り群で,血栓有り/無し=8例/10例(44.4%),イレウス無し群で,50例/317例(13.6%)で,イレウス有り群で有意に血栓を発症していた(p=0.0004).結語:以上の因子は血栓発生の危険因子として有用である可能性が示唆された.