日本外科系連合学会誌
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症例報告
FDG-PETを施行した小腸間膜デスモイド腫瘍の1例
鈴村 和大平野 公通黒田 暢一岡田 敏弘飯室 勇二藤元 治朗
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キーワード: デスモイド腫瘍, FDG-PET, 胃癌
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2012 年 37 巻 2 号 p. 257-261

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抄録
 症例は67歳の男性で,胃癌(T2,N1,H0,P0,M0,StageⅡ)に対して幽門側胃切除術を施行した.術後3年後のCTで腹腔内腫瘤が認められたためfluorodeoxyglucose positron emission tomography (以下,FDG-PET)を施行した.腫瘤へのFDGの集積は軽度(standard uptake value:SUV max 早期像3.14,後期像3.15)であり,胃癌のリンパ節再発よりもデスモイド腫瘍などの良性の腹腔内腫瘍の可能性が高いと考えられたため手術を施行することとし,空腸の一部を合併切除する形で腫瘤摘出術を行った.病理組織学的検査では空腸腸間膜原発のデスモイド腫瘍と診断された.術後約42カ月の現在,明らかな再発は認めていない.FDG-PETは癌再発との鑑別が困難なデスモイド腫瘍の術前診断に有用である可能性があると考えられた.
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© 2012 日本外科系連合学会
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