抄録
患者は67歳,男性.のどのつかえ感を主訴に近医を受診し,食道癌の診断で当院を紹介受診となった.術前検査で頸部胸部上部食道に長径15cm大の1型腫瘍を認めた.生検で癌肉腫と診断し,腹臥位胸腔鏡下食道切除術,胸壁前経路頸部食道胃管吻合術,D3郭清を施行した.摘出標本では頸部食道に150×55×50mmの巨大な腫瘍が存在し,病理組織学的所見では大型紡錘形細胞よりなる癌肉腫と扁平上皮癌を認めた.術後経過は良好で術後25日目に退院となった.食道入口部に伸展する腫瘍は治療方針の決定に難渋することが多い.術式を工夫することにより喉頭温存しえた頸部胸部上部食道に発生した巨大癌肉腫の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.