抄録
症例は70歳の男性.健診で十二指腸壁の変形と膵頭部の腫瘤を指摘され,精査加療目的で当院を紹介された.腹部造影CT検査では膵頭部,十二指腸下行脚,水平脚に囲まれる領域に径4cmの腫瘤を認め,上部消化管内視鏡検査では十二指腸乳頭部肛門側に粘膜下腫瘍として認めた.生検で紡錘形細胞の集塊を認め,免疫染色でc-kit(+)であり十二指腸gastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断した.局所切除は困難と判断し,小開腹下に腹腔鏡補助下膵頭十二指腸切除術(LAPD)を施行しChild変法で再建を行った.膵,胆管切離はともにLigaSure Advance®を用い,手術時間507分,出血量565mlだった.LAPDは鏡視下手術に熟練した術者ならば安全に施行可能で通常の開腹下手術と同様の手技で再建が可能である.今後,さらなる症例の蓄積と手術手技,器具の改良が必要である.