抄録
症例は92歳女性.1カ月前より食欲不振,倦怠感が出現した.黒色便も認めたため前医を受診し,上部消化管内視鏡で胃ポリープを指摘され,切除目的に当院紹介受診となる.初診時,腹部症状はなかったが,血液検査で重症貧血(Hb4.6mg/dl)を認めたため,精査目的に入院となった.上部消化管内視鏡では,胃内に2個の巨大腫瘤(8cm大,4cm大)を認めた.生検結果で形質細胞腫が疑われ,貧血が進行する可能性があること,高齢だが全身状態が良好であることから,手術施行とした.開腹所見で,術前検査で認めた2個の腫瘍は漿膜まで浸潤していた.幽門洞温存胃切除術を施行し,術後経過は良好である.病理診断結果は,非ホジキン型悪性リンパ腫,lymphoplasmacytic type,SE,N1,Stage Ⅲaであり,免疫染色ではCD138と免疫グロブリン軽鎖κ鎖が陽性であったため,形質細胞腫の診断にいたった.形質細胞腫の中でも,胃形質細胞腫はごく稀である.本症例で得た画像所見と文献的考察を合わせて報告する.