日本外科系連合学会誌
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症例報告
外科系診療科の連携治療で良好な結果を得た閉塞性大腸癌を合併した高度大動脈弁狭窄症の1例
甲斐沼 孟高橋 俊樹須原 均木戸 高志井出 亨宍戸 裕二池田 正孝関本 貢嗣吉岡 巌
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2014 年 39 巻 5 号 p. 959-963

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抄録
大動脈弁狭窄症は非心臓手術における最大riskの一つであり,日循ガイドラインでもAVR先行が推奨されている.しかし,担癌患者では免疫能低下を伴うことが多く人工弁感染を回避すべく個々の症例に応じた治療戦略が必要となる.今回,閉塞性大腸癌合併高度AS例に対し外科系各科連携による分割手術により良好な結果を得たので報告する.症例は81歳男性.主訴は水様便と息切れ.進行S状結腸癌と高度AS(AVA0.61cm2)の合併を認めた.腸閉塞の進行により人工弁感染や誤嚥性肺炎併発のriskが高いと判断し,人工肛門造設術を先行,血清アルブミン値やCRP値の改善した10日後にAVR,さらに33日後に直腸低位前方切除術+膀胱,精囊,前立腺合併切除術,8カ月後に人工肛門閉鎖術を施行した.各術後経過は良好で術後1年の現在,患者は健在である.腸閉塞では敗血症併発のriskが高いと言われており,人工弁感染回避の為にも腸閉塞解除術をAVR→癌根治手術に先行させることも有用な選択枝と考えられた.
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© 2014 日本外科系連合学会
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