抄録
症例は59歳,女性で,血便を主訴に当院を受診し直腸癌と診断された.直腸Raに全周性の2型病変を認め,左鎖骨上窩にリンパ節の腫大,肝S5に内部不均一な分葉形をした腫瘤を認めた.また腹腔内の臍レベルに内部不均一な境界明瞭な腫瘤を認めた.リンパ節生検,Dynamic CT検査,Fluorodeoxyglucose-positron emission tomography(FDG-PET)検査を追加し,直腸癌と原発性肝癌の同時重複癌,腹腔内傍神経節腫と診断し,肝動脈塞栓術施行後に開腹術を施行した.開腹するとTrize靱帯より60cmの空腸間膜に白色結節を認め小腸を含めて切除し,直腸低位前方切除術を施行した.病理検査所見では直腸高分化腺癌,腸間膜カルチノイド(Neuroendocrine tumor:NET G1)と診断された.二期的肝切除術として肝S5部分切除術を施行したが,病理組織検査でカルチノイドの肝転移であった.他の部位にカルチノイド腫瘍を認めず,腸間膜原発と診断した.腸間膜原発カルチノイドは稀であり,これまでの報告例を集計し報告する.