日本外科系連合学会誌
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症例報告
エベロリムス内服中のインスリノーマ合併子宮体癌に腹腔鏡手術を行った1例
岡崎 有香越智 寛幸松本 光司小貫 麻美子八木 洋也中尾 砂理櫻井 学川崎 彰子中村 優子佐藤 豊実
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2014 年 39 巻 5 号 p. 989-995

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抄録
エベロリムスはmTOR阻害作用を持つ分子標的薬である.インスリノーマに対しては抗悪性腫瘍薬としてだけでなく,抗インスリン作用を持つため低血糖発作の予防にも使用される.エベロリムス内服治療中のインスリノーマ患者に外科手術を行う場合には免疫抑制作用による創部感染・血管新生阻害による創部離開を生じやすくなる上に,内服を中止せざるを得ない周術期には血糖コントロールが難しくなる.今回,エベロリムス内服中のインスリノーマを合併した子宮体癌患者に対して性器出血の制御を目的として腹腔鏡手術を行ったので報告する.症例は43歳,多発肝転移を伴うインスリノーマに対するエベロリムス内服治療中に早期子宮体癌と診断された.腹腔鏡下手術を行い創を小さくすることによって創部感染・離開のリスクを低減することができ,早期の食事再開によって血糖コントロールがより容易となった点で腹腔鏡手術を行った意義があったと考えられた.
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© 2014 日本外科系連合学会
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