日本外科系連合学会誌
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症例報告
食道癌術後4年目にみられた孤立性甲状腺転移の1切除例
浅野 有香柏木 伸一郎小野田 尚佳野田 諭田中 さやか大杉 治司平川 弘聖
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2014 年 39 巻 6 号 p. 1070-1075

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抄録
食道癌の甲状腺転移は剖検例においては3%程度に確認されるものの,発見時には既に多臓器転移を伴うなど癌が高度に進行した状態であることが多いため,治療対象となる症例は稀である.今回われわれは治癒的切除が可能であった食道癌孤立性甲状腺転移の1例を経験した.症例は57歳の男性.53歳時に胸部食道癌(pT1N0M0 Stage Ⅰ)にて手術(胸腔鏡下食道亜全摘)を施行され,術後フォローアップのCTにて甲状腺腫瘍が認められた.同部位の細胞診にて扁平上皮癌が検出され,臨床経過から食道癌甲状腺転移と診断し,甲状腺右葉切除術を行った.自験例は,食道癌術後4年目に孤立性甲状腺転移をきたしており切除が可能であった.極めて稀な症例であると思われ,文献的考察を加えて報告する.
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© 2014 日本外科系連合学会
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