日本外科系連合学会誌
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症例報告
食道癌術後胃管閉塞に対し胸骨縦切開食道胃管再吻合術を施行した1例
二渡 信江小野里 航高橋 禎人西 八嗣
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キーワード: 食道癌, 胃管虚血, 再手術
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2015 年 40 巻 1 号 p. 25-29

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抄録

症例は,66歳,男性.黒色便,胸やけ,つかえ感を自覚した.貧血を認めたため,精査施行し,食道癌MtのType2,Ltの0-Ⅱc,cT3N0M0 cStage Ⅱと診断された.FP療法2コース施行後,右開胸食道亜全摘,3領域リンパ節郭清,胸骨後胃管再建,腸瘻造設術を施行した.術後7日目に縫合不全を認め,頸部創を開放した.術後2カ月経過しても軽快しないため,術後74日目に内視鏡を施行したところ,吻合部は閉塞していた.造影CT検査では,吻合部肛門側の胃管が約3cm造影されず,胃管虚血と診断した.術後106日目,胸骨縦切開,食道胃管再吻合術を施行した.食道1.0cm,胃管2.5cmの切除で再吻合が可能であった.術後経過は良好であった.
食道癌術後胃管虚血による縫合不全で胃管が閉塞した症例に対し,胸骨縦切開にて食道胃管再吻合術を施行できた1例を経験したので報告する.

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© 2015 日本外科系連合学会
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