抄録
症例は80歳の女性.腹部違和感,貧血の精査目的に上部消化管内視鏡検査を施行.ECJから15cmにいたるlong segmentバレット食道および胸部中部食道に1型病変を認め,低分化型腺癌と診断された.また下部消化管内視鏡検査で横行結腸に全周性の2型進行癌を指摘された.遠隔転移はなく,食道亜全摘術2領域郭清,右半結腸切除(D2郭清)を施行した.術後経過は良好で35PODに退院となった.病理診断はバレット食道腺癌Mt-1 T1N0M0-Stage Ⅰ,横行結腸癌T-2 T3(SS)N0M0-Stage ⅡでR0切除が可能であった.本邦でのlong segmentバレット食道の有病率は0.4%と低く,また食道癌の重複癌としての大腸癌は5%と報告されている.今回われわれは,long segmentバレット食道に腺癌を発症し,横行結腸癌を重複した極めて稀な一切除症例を経験したので報告する.