抄録
当科において腹部大動脈瘤を合併した高齢者上行結腸癌に対して,ステントグラフト治療後に腹腔鏡下手術を施行し良好な術後経過を辿った2例を経験したので報告する.
症例1:89歳,男性.腹部大動脈瘤を経過観察中であった.平成25年1月に検診で便潜血陽性を指摘された.内視鏡検査を施行したところ回盲弁対側に3cm大の腺癌を認め当院紹介となった.
症例2:81歳,女性.平成25年8月に腹痛と血便あり内視鏡検査を施行したところ,回盲弁近傍に腺癌を認め当院紹介となった.腹部大動脈瘤を経過観察中であったが,徐々に増大傾向であった.
いずれも初回にステントグラフト内挿術を施行し,症例1では7日後,症例2では12日後に腹腔鏡下結腸右半切除術を施行した.術後合併症なく経過し,初回術後それぞれ17,25日目に退院となった.
本症例では低侵襲に二期的手術を行うことで良好な治療結果が得られた.今後同様な症例に対して有効な治療法と考えられた.