抄録
症例1:43歳,男性.右下腹部痛を主訴に来院し,急性虫垂炎と診断し虫垂切除術を施行した.病理結果にて虫垂杯細胞カルチノイド,深達度ss,中等度リンパ管侵襲,切除断端陽性のため追加切除を勧め,本人の希望にて他院紹介となり右結腸切除が施行された.腫瘍の遺残,リンパ節転移は認めず,現在術後1年3カ月経過するが無再発生存中である.症例2:67歳,男性.右下腹部痛を主訴に受診され,急性虫垂炎と診断し腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.病理結果は虫垂杯細胞カルチノイド,深達度ss,脈管侵襲を認めなかった.追加切除は,腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行した.病理結果は,カルチノイドの遺残,リンパ節転移を認めず.現在術後6カ月経過するが無再発生存中である.杯細胞カルチノイドは典型的カルチノイドに比べ予後不良であるが,手術療法,化学療法ともに治療法が確立されていないため,更なる症例の蓄積が期待される.