2018 年 43 巻 2 号 p. 239-246
神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor;NET)は消化管や膵に発生することが多く,肝原発は非常に稀である.今回われわれは肝原発NETに対して肝切除術を施行した2症例を経験した.症例1は65歳の男性で肝囊胞腺腫の術前診断で肝部分切除術を施行した.術後病理診断でWHO分類のNET G2と診断した.症例2は72歳の男性で,肝細胞癌の術前診断で腹腔鏡下肝部分切除術を施行した.術後病理診断でWHO分類のneuroendocrine carcinoma:NEC G3と診断した.2症例ともに術後再発をきたしているが,化学療法を行い現在生存中である.