2019 年 44 巻 2 号 p. 182-186
目的:成人鼠径ヘルニア手術はメッシュを用いたtension-free-hernioplasty(以下:TFH)が標準である.術後のsurgical site infection(以下SSI)は決して多くはないが発症すると治癒に難渋することがある.われわれは本術式における術前抗菌剤投与の有無とSSIの関連性を後方視的に解析したので報告する.方法:2011年10月から2015年7月まで当院で行われた片側成人鼠径ヘルニア手術(メッシュ法)を行った88例の診療録を後方視的に集計し,主治医が症例毎に決定していた術前抗菌薬投与の有無で2群に分け,投与群33例と非投与群55例でSSIの発症頻度を比較した.結果:背景因子として年齢,肥満度,糖尿病有病率,手術時間,出血量などには両群間に有意差はなかった.3例にSSIを認め全て非投与群であった.しかし両群間のSSI発生に有意差はなかった.結語:SSI発生率に両群間で有意差はなかった.