2019 年 44 巻 2 号 p. 299-305
症例は63歳の女性で,1年前より膵尾部の分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm:IPMN)にて外来経過観察していたところ,超音波内視鏡にてIPMN内に結節性病変を指摘された.さらに膵頭部にも内部に結節性病変を認めるIPMNが出現した.膵頭部および膵尾部の膵管内乳頭粘液性腺癌(intraductal papillary mucinous carcinoma:IPMC)が疑われたため手術目的に当科入院.中央区域温存膵切除術(middle-segment preserving pancreatectomy:MSPP)を施行し,膵体部を約4cm温存できた.病理組織学的検査では膵頭部および膵尾部腫瘍ともにinvasive IPMCの診断であった.術後は膵液漏や耐糖能異常を認めず経過し,第28病日に退院.術後約14カ月の現在,明らかな再発は認めていない.今回われわれは,膵頭部および膵尾部IPMCに対して,MSPPを施行した1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.