日本外科系連合学会誌
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症例報告
化学療法により病理学的完全奏効を得た局所進行直腸癌の1例
前田 裕之吉松 和彦河野 鉄平伊藤 嘉智山田 奏史岡山 幸代横溝 肇島川 武勝部 隆男塩澤 俊一
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2020 年 45 巻 1 号 p. 68-73

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抄録

症例は76歳,女性.腹痛,下痢,腹部膨満感を主訴に受診し直腸S状部の局所進行癌と診断した.腫瘍が巨大で骨盤腔を占拠していたため,腫瘍縮小を期待し化学療法後に2期的に根治切除を行う方針とした.横行結腸人工肛門造設術後mFOLFOX6+Bevacizumab(以下Bev)療法を6コース施行した(Bev療法は2~4コース目のみ追加).腹部CT検査で腫瘍縮小を認めたため,最終投与日より1カ月後に高位前方切除術+D3郭清,人工肛門閉鎖術を施行した.病理組織学的所見では原発巣は線維化や石灰化が広範囲に認められたが,viableな癌細胞は存在しなかった.またリンパ節転移も認めなかった.以上から病理学的完全奏効(pCR)と診断した.

局所進行大腸癌に対する術前化学療法は確立されていないが,mFOLFOX6+Bev療法は有効な術前化学療法の1つになりえると考えられる.

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© 2020 日本外科系連合学会
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