日本外科系連合学会誌
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症例報告
腹腔鏡下胆囊摘出術による肝門部胆管・右肝動脈の合併損傷に対して肝右葉切除を施行した1例
奥山 隆之新木 健一郎山中 崇弘石井 範洋塚越 真梨子五十嵐 隆通渡辺 亮久保 憲生播本 憲史調 憲
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2020 年 45 巻 2 号 p. 134-139

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抄録

【はじめに】腹腔鏡下胆囊摘出術(LC)における術中胆道損傷は約0.6%と報告され,近位胆管損傷や肝動脈損傷合併の場合は適切な処置を要する.今回われわれは,LC時の胆道損傷に対して肝右葉切除を要した症例を経験したので報告する.

【症例】66歳,男性.前医にて胆石性胆囊炎に対してLCを施行.術直後より胆汁漏を認め胆管を切断したことが判明,左葉B3より経皮経肝胆道ドレナージを施行した.当院紹介後,精査により左右胆管泣き別れ,右肝動脈合併損傷も確認され,右葉動脈血流は左肝動脈から肝門板を介してのみであった.

【経過】近位胆管と右肝動脈の合併損傷であり,肝右葉切除+胆道再建術を施行した.手術所見は,肝門部を剝離すると胆汁漏と左肝管断端が露出した.右葉切除を行い左肝管と胆管空腸吻合を行った.術後合併症なく術後16日で退院.術後4カ月で胆管炎を発症したが保存的加療で軽快し,以降は肝胆道系酵素異常を認めない.

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