日本外科系連合学会誌
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症例報告
術前腫瘤の指摘が困難であったT1膵癌の1例
松本 尊嗣岡林 雄大須井 健太木村 次郎秦 康博岩田 純岡崎 三千代
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2020 年 45 巻 2 号 p. 140-145

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抄録

50歳台,男性.急性膵炎の診断にて前医入院.Dynamic CTにて膵腫大,膵周囲の脂肪織濃度上昇と液体貯留を認めた.MRCPで膵体尾部主膵管の途絶と尾側主膵管の拡張を認めるものの,腫瘤は明らかでなかった.ERCPで膵体尾部移行部に硬い狭窄を認めた.膵液細胞診を6回施行したが陰性であった.膵癌を強く疑い,膵体尾部切除術を施行した.膵全体が炎症性に硬化し腫瘍は視触診で不明であったが術中超音波検査にて腫瘤を認識できた為,術前計画通りの切除が可能であった.病理学的に腫瘍は膵内に限局する14mm大の中分化型腺癌で,明らかな脈管侵襲像は認めなかったが,2個の郭清リンパ節に転移を認め,pT1cN1sM0 fStage ⅡBであった.術後合併症なく第12病日に軽快退院,術後第30病日より術後補助療法を導入された.

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© 2020 日本外科系連合学会
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