日本外科系連合学会誌
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症例報告
Spigelianヘルニアに対してメッシュによる修復を行った3例
多賀 亮豊田 英治
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2020 年 45 巻 2 号 p. 168-174

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抄録

症例1は70歳女性.主訴は左下腹部と右鼠径部膨隆.CT検査で,左腹直筋外縁の腹壁欠損と脂肪織脱出,右鼠径部から脂肪織脱出を認めた.左Spigelianヘルニア,右鼠径ヘルニアと診断し,腹腔鏡下でメッシュによる修復を行った.症例2は91歳女性.左下腹部痛を主訴に受診.腹部エコー検査,CT検査で,左腹直筋外縁に腹壁欠損と腸管脱出を認めた.左Spigelianヘルニアと診断し,腹腔鏡下でメッシュによる修復を行った.症例3は68歳男性.主訴は右下腹部膨隆.CT検査で,右腹直筋外縁に腹壁の菲薄化を認めた.Spigelianヘルニアと診断し,前方アプローチでメッシュによる修復を行った.いずれも手術関連合併症なく,観察期間中の再発はない.Spigelianヘルニアは稀な疾患であり,治療法が確立していない.最近ではメッシュによる修復が標準であり,さらに診断・治療の面から,腹腔鏡を用いた術式が有用と考える.

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© 2020 日本外科系連合学会
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