2020 年 45 巻 3 号 p. 214-220
症例は90歳,女性.主訴は左乳房腫瘤.半年前から左乳房の腫瘤を自覚していたが放置.1カ月前から急速に増大したため受診した.初診時所見は左乳房に28×23cm,皮膚が薄赤紫色を呈する腫瘤を触知した.超音波検査では腫瘍は液状成分で占められ,一部に充実性部分を認めた.CTおよびMRI検査:左乳房に境界明瞭な囊胞性腫瘤を認め,囊胞壁の一部に隆起性病変が存在していた.穿刺吸引細胞診では確定診断が得られなかった.確定診断および治療目的で乳房全切除を施行.病理診断で非浸潤性乳管癌(DCIS),エストロゲンレセプター陽性,プロゲステロンレセプター陽性,HER2陰性,Ki-67:2.8%.年齢を考慮して,術後補助療法はしない方針としたが現在まで再発は認めていない.