日本外科系連合学会誌
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症例報告
十二指腸球部を占拠するBrunner腺過形成に対し腹腔鏡補助下内視鏡的粘膜切除が有用であった1例
小竹 将谷口 清章芹澤 朗子伊藤 俊一鈴木 和臣山田 卓司山本 雅一
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キーワード: Brunner腺過形成, EMR, LECS
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2020 年 45 巻 3 号 p. 228-232

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抄録

Brunner腺過形成は上部消化管内視鏡検査において観察される機会が多い,十二指腸の粘膜下腫瘍様病変である.一般に良性腫瘍のため経過観察されるが,内腔を占有する腫瘍や増大傾向のもの,出血を伴うものなどは切除の対象となる.腫瘍の主座は粘膜深層から粘膜下層であることより内視鏡的切除が行われるが径30mmを越えるものは合併症が多くなり,開腹手術や腹腔鏡による十二指腸切除が行われてきた.今回十二指腸球部を占拠する径40mm大の有茎性Brunner腺過形成に対し,球部内での内視鏡操作が困難であったため,腹腔鏡を用いて十二指腸壁外より圧排することで腫瘍を経幽門輪的に胃内へ誘導し,EMRを施行しえた症例を経験したので報告する.

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© 2020 日本外科系連合学会
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